「猛き者も遂には滅びなん」と『平家物語』にある。
太宰治は『右大臣実朝』で「平家ハアカルイ、アカルサハホロビノ姿デアラウカ」と書いた。それに「國も人も、暗いうちは滅びませぬ」と付け加えた。以前から私はこの太宰の言葉をどう受け取ったらいいか、ずっと考え思い悩んできた。未だにその解決は見えていない。しかし最近「アカルサハホロビノ姿」というところは少し看取できるようになってきたような気がする。太宰にとって平家が問題だったのだろうが、私にはその辺のところはよく分からない。ただ源氏が主語になることはない、ということぐらいだけは感覚的に理解できそうに思う。 Read More →