人の住む家は、そこに住む人がいなくなればその姿を変える。それは、家の中の部屋もまわりの庭も同じように変わってしまう。家はそこに住む主人の生きること自体に深く関わっているからである。と言うより、そこに住む人の生活そのものだからである。「住む」という行為は、働くとか遊ぶとかいう行為とどこか根本的に違っているように思える。どこがどう違った営みか、なかなか言い当てるのは難しいが、そこに住む主人の普段の感情がまわりの人や物との関係の中でそのつど「残っていく」ことにあるのではなかろうか。
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