現代私たちは、大きなものを求め、速度が速いことに脅迫されています。それゆえ、小さきもの存在を忘れ、ゆっくりと流れる時間に耐えられなくなっています。私はこの頃、花屋に並ぶ豪華で色鮮やかな花々が、どこか造花のように見えて仕方がありません。結婚式や音楽会などの華やかな雰囲気には、そういった大きく艶やかな花もいいと思いますが、名もない雑草や野草の花も、小さくはあっても形といい色といい、いとおしい美しさがあると強く感じています。造花ではなく、造化の美しさです。
絵画にも同じことが言えるように思います。今回は「小さなものたち」への愛着、「ゆっくり流れる時間」の意味を考えていただきたく、この展示会を企画いたしました。